綾野剛が熊切和嘉監督の新作映畫『武曲 MUKOKU』で主演を務めることが発表になった本作は、藤沢周の小説『武曲』を原作にしたこれまでにない斬新な“決闘映畫”になるといい、主人公と宿命の対決をする高校生を村上虹郎が演じる舞臺は古都・鎌倉剣道五段の腕前を持ちながら、ある出來事をきっかけにアルコール漬けの自墮落な生活を送っている主人公・矢田部研吾(やたべ・けんご)の前に、父と同じ“天性の剣士”が現れる研吾と高校生の羽田融は、剣道八段の僧侶、光邑師範のもとで、人間として、剣士としての精進を積んでいくが、やがてふたりは対決する運命にあった「熊切組に參加させて頂くこと、大変光栄です念願でしたから『また必ず熊切組の現場に立ちたい』と『夏の終り』を経て今日まで、その気持ちは揺らがず、秘めた確信として心に宿していました」という綾野は、本作のスタッフについて「撮影の近藤龍人さん、照明・藤井勇さん、録音・小川武さん、美術・井上心平さん、そして『そこのみにて光輝く』でご緒させて頂いた高田亮さんの腳本を熟読できる喜びを噛み締め、血の味がする『武曲』を體感しました」と厚い信頼を寄せる本作は、“師匠と弟子”“父と子”の物語でもあるといい、「師の教えを守り、教えを破り、教えから離れる研吾にとって『守破離』とはどういう事なのか師であると同時に『父』という輪郭に苛まれながら、彼はどう自身の生を取り戻し、生き直すのか九死を想い、生を諦めた『武曲』が織り成す、愛と再生の物語熊切組のために、何者にでもなり、何者にでも無くなるその覚悟を胸に、私は今日まで培った全ての感情を註ぎ盡くします」と意気込みを語る村上は「デビュー當時から熱望していた熊切組への參加、本當に嬉しいオファーでした融という役は、もし他の方が演じていたら絶対に嫉妬する役、それくらい掻き立てられるものがありました(綾野さん演じる)矢田部研吾にライバル心を持つ融は、主人公に想いを寄せるという意味では、この作品の中で“ヒロイン”だと思っています」とコメント天性の腕を持ち、“ラップ好きの高校生”という役については「原作を読んだ時、(『武曲』というタイトルにあるように)“武士”と“音楽”が混ざるとき、“侍の文化”と“現代人の感覚”がどう折り重なるか、を描いているところが好きだったのですが、そんな原作を超えていけるような映畫にしたいです」と話している熊切監督は「狂気的なまでに肉體と精神を追い込んだ綾野剛と、天賦の才でのびやかに躍動する村上虹郎二人をはじめ、最高のキャスト、スタッフと共に、日々、圧倒的な映畫を目指して格闘しております」とコメントを寄せている映畫は現在、神奈川県鎌倉市にて撮影中で、2017年に公開される『武曲 MUKOKU』2017年 全國ロードショー